素晴らしきかな、横浜港の歴史

横浜開港博150周年記念

開国博Y150

横浜が開港してから既に150年以上の時が過ぎましたが、ある周期になると港では記念式典が開かれていることをご存知ですか?私はこの記事を書いているときに初めて知ったのですが、横浜港が開港してから50年単位で記念式典が開催されていることを初めて知ったほどです。私自身としては横浜市に在住したことは一度もありませんでしたし、そういったニュースをたまたまタイミングが良いのか悪いのかはわかりませんが、見ていなかったのでこうした記念祭が行われていることさえ認識していなかったほどです。

世間知らず、と言ってしまえばそうなるのかもしれませんが、こうしたお祭り騒ぎにはあまり興味関心がないといってしまったら元も子もないですが、さすがに近場というわけではないので情報を入手するとなれば、タイミングが合えば開港博のことも情報として入手できるでしょうが、知らなかったという人も中に入るでしょう。

ではそんな横浜開港150周年を記念して開かれた『開港博Y150』についてまず始めにご説明していきましょう。

式典概要

まず式典開催までに至ることを説明していきましょう。この150周年開港は区を企画・運営していたのは『財団法人横浜開港150周年協会』が開港博開催から閉会までの指揮を執っていた。この委員会は『近代日本開国・横浜開港150周年記念事業推進協議会』が前身となっており、横浜が開港した1854年から数えて150年を迎えることになった2004年~2009年までの5年間を、横浜全体の活性化策として展開するために設立、その一環として企画されていた博覧会ということになっている。

博覧会は3つのエリアに区分されており、開催時期としてはまずベイサイドエリアが4月28日から9月27日まで、ヒルサイドエリアは7月4日から9月27日まで、マザーポートエリアは2009年を通して開催されていた。イベントなどの開催においてはそれぞれ民間企業に委託されており、ステージなどのイベントの実施や設計並びに製作運営をベイサイドステージで博報堂JVが担当し、ヒルサイドステージについてはアサツーディ・ケイが選定されていた。協賛企業に関しては横浜に緑のある日産自動車や新日本石油、コカ・コーラセントラルジャパン、日本発条、日本ビクター、スリーエフ、ファンケル、横浜銀行、テレビ神奈川が名を連ねていた。ほとんどが大手の会社ということもあり、市の活性化ということを含めて、期待されていたことはよく見える。テーマソングにも男性デュオの『ゆず』が担当していることもあって、横浜市民だけでなく全国規模でドンドン集客して横浜港の歴史を体感しつつ、楽しんでもらおうという気概はよく理解出来る。

赤字問題

しかし現実的にうまく行くことはなかった。活性化を目的としているとしても、それは同時にお金を使ってもらうということを前提にしているということでもあり、同時に使ってもらっていないと協会自体には利益が入らないという根本的な問題が絡んでいたことも有り、閉会後もトラブルを招き寄せた。入場者数こそ700万人以上を動員する記録を樹立したが、そのほとんどが金銭の掛からない無料で利用することの出来る施設ばかりを利用する人で構成されている。実際にお金を払ってまで有料イベントを楽しんだ人の数は120万人前後しか満たなかった。計画時には500万人が見込めると考えられていたの者の、運営サイドとしてはそんな予想をはるかに下回る結果になってしまったことで、その後問題が発生することになってしまう。閉会後のイベントは25億円もの大量負債を背負い込むことになり、その結果提携していた会社との間で提訴騒ぎとなる騒動が勃発することになってしまうのだった。2010年には協会と博報堂JVが調停に入ったことで、博報堂JVに対する協会の債務残高は約35億円のうち、協会資金となる約11億円と市の補助金約12億年を博報堂JVに支払い、残高10億円近くの債務に関しては放棄することを発表した。その後の市議会で補助金相当額の市税を投入する補正予算が可決されたこともあって、徐々にではあるが問題は片付いていくことになるが、イベント自体に関しては決して成功したとは言えない結果になってしまった。

会場構成

ベイサイドエリア

ベイサイド普通入場券(大人2400円)

ベイサイド全期間入場券(大人10000円 - 開催中本人に限り有効で入退場何度でも自由)

ベイサイド夜間割引入場券(大人1200円 - 18時以降のみ入場可)

ヒルサイドエリア

ヒルサイド普通入場券(大人600円)

ヒルサイド全期間入場券(大人2500円 - 開催中本人に限り有効で入退場何度でも自由)

マザーポートエリア - 無料

2009年4月27日までベイサイドエリア入場券の前売り発売(大人2200円)がある。

チケットが高めに感じるかもしれないが、ベイサイドエリアの入場券に関しては、1枚につき任意の1日、そして利用する本人に限って、3つの有料会場の入退場が自由にできるようにもなっている。さらには皆と未来のエリアなどの、他の施設の割引を受けられる特典がある、という付加価値が付いていることもあって、チケットの値段がお高めになっている。

他にもビルサイドの入場チケットに関しては、ズーラシア入園の割引を受けられる特典もついているために、高めの値段設定だ。

こうした付加価値をつけるのは構わないが、私個人からすればつけすぎてしまったことが一番の間違いだったのではないだろうか、と考える。確かに一見お得のように感じる内容かもしれないが、これはあくまで近所に住んでいる人ならではの特典、と考えたほうが利用価値もずば抜けて上がるはずだ。しかしだ、これが中部や関西、近畿などの西日本から来た観光客、首都圏在住といえど横浜に来ることは年に数回あるかどうかという人からすれば、そんな2200円もするチケットを買って、その後に特典を利用するということはあまり効率の良い運営とは言いにくいのではないだろうか。来る頻度が数年に1回、用事があるかどうかと分からない人であるならば、そんな有料チケットを買っても実はそこまで得を感じるようなチケットではない。だからこそ、この開港博で25億円もの赤字を生み出した原因となっているのではないだろうか。確かに特典、という言葉に弱い人は多いかもしれないが、ただつければ良いということではない。特典付きの何かを買うことで、自分にとって有益かどうかを判断することで買うかどうかということを見落としていたのだろう。これは実は単純なことだ、自分にとって有益でないものを買う必要はないと考えている人がほとんどだということを見落としていたのだ。ただつけておけば、黙って買うだろうという安易な見方をしていたことがよく伺える。マーケティングという視点からすれば、そんな購入することで生まれる自分への付加価値がどれだけの人に反映するか、ということをもう少し考慮しておけば、また違った結果になったのではないだろうか。いずれにせよ、集客率は良かったのだからもう少しその点に関して考察を加えて、値段を下げるといった方法を取り入れたほうが、式典自体も成功していたのではないだろうか。

ベイサイドエリア主な催事

有料会場

Y150はじまりの森

『ENEOSラ・マシン』
フランス・ナントのアート劇団『ラ・マシン』による高さ12mの巨大な蜘蛛の展示が行なわれていた。
『横浜ものがたり』
開国・開港の時代や横浜150年の歴史を映像やセットで展示し、黒船来航で有名なペリー提督を迎えた際の料理なども紹介していた。
『ENEOS未来のエネルギー館』
エネルギー資源と地球環境に関して、新日本石油の取り組みを展示して、紹介していた。
『黒船レストラン』
開国・開港にちなんだメニューを中心としたレストランが展開していた。

Y150トゥモローパーク

  • 未来シアター『BATON』
    • 岩井俊二脚本で、北村龍平監督によるSFファンタジーアニメーションが、公開されていた。
  • アースバルーン『HOME』
    • 地球環境をテーマにしたCG映像が、直径20mのバルーン表面に映し出される展示。
  • FMヨコハマ サテライトスタジオ "STUDIO SEAGULL Y150"
  • トゥモローパークステージ - マスコットキャラクターの「たねまる」と「ペリー・テイトくん」が毎日登場。

NISSAN Y150ドリームフロント

ビポ・ラボ
日産自動車のコンセプトカー「PIVO2」が案内役となって、環境に優しい未来の世界を紹介。同社の電気自動車、「ハイパーミニ」および「たま」も展示される。
コトバパーク
「思いやり」の言葉を書き込んだ葉っぱの形の紙を、透明バルーンの中に舞い飛ばす。同社のコンセプトカー、「ニューヴ」も展示される。
スーパーハイビジョンシアター
2005年日本国際博覧会(愛・地球博)に出展され話題になった NHKが開発中のスーパーハイビジョンによる映像を、37個のスピーカーによる立体音響とともに上映。

無料会場

赤レンガ会場

開国・開港の街
国内外の都市・公共団体による観光案内並びに物販が行なわれていた。
たねまる公式記念品ショップ
オリジナル商品とオフィシャル商品の販売を行なっていた。

大さん橋会場

横浜FUNEプロジェクト
横浜市内の施設で市民参加によりダンボール船を150艘を製作し、展示していた。

山下公園会場

黒船体験ツアー
復元した観光丸の乗船体験と夜間のライトアップが主になっている。乗船体験に関してはベイサイドエリアの入場券が必要になっていた。

ヒルサイドエリアの主な催事

ヒルサイドエリアには無料会場は存在せず、全て所定のチケットを購入しないとエリアで開催されているイベントには参加できない仕組みとなっていた。

  • Y150つながりの森
  • 竹の海原
    • ヒルサイドエリアのメイン会場となる建築物で、設計監修を担当したのは建築家の『松井正澄』さんとなっている。放置竹林の見直しをテーマにしており、会場に実際に伐採された約9,000本の竹で組まれている。
  • 市民創発プロジェクト
    • 公募などで集まった市民スタッフが、1年半という長い期間を準備して企画された展示や催しが行なわれていた。
  • 巨大バッタのオブジェ展示
    • 横浜トリエンナーレで展示されていた全長50mのバッタが野外展示されている。バッタが苦手な人にとっては近づきたくもない施設かもしれない。
  • セグウェイ体験試乗
    • 次世代交通機関セグウェイの体験試乗ができるコーナーが開催されていた。
  • 丘の広場
    • 竹風車作りの体験コーナーや茶堂などが置かれていた。
  • 棚田・段々畑
    • 農業体験などが体験できる。

マザーポートエリア

マザーポートエリアは基本的に無料のエリアとなっており、根岸線・横浜駅から石川町駅、みなとみらい戦・横浜駅から元町・中華街駅、京急本選・横浜駅から日出町駅の全駅という広い範囲をエリアとしている。基本的にはパビリオンなどの設置は実施していなかったが、地域ぐるみでの観光客をもてなすという意味でのスタンプラリーや優待割引制度を実施していた。

マスコットキャラクター

たねまる

横浜開港150周年記念全ての事業のマスコットキャラクター。木の精をテーマに、上半身は芽を出した種子となっており、下半身は船をモチーフにしている。これは横浜のタネが世界に向けて出向するイメージを表現している。

ペリー・テイトくん

たねまるの友達でありライバルでもあるというサブキャラクター的な、お決まりのポジションを獲得している。たねまるだけでは任せておけないということで、応援に駆けつけてきた。設定なんていうものは存在しない、断じて。

モデルとなったのはペリー提督こと、マシュー・ペリー本人であり、黒船をモチーフにした黒い船体につりあがった目つきとなっている。

横浜開港150周年協会

開国博Y150を企画した横浜開港150周年記念協会が企画したものとなっている。2009年4月28日から9月27日までの間、開国博が行なわれていたが事業収入を確定する必要があるとして、閉幕した後でも協会は存続して、公式メダルなどを発行していた。2013年3月末までの基本財産は3200万円となっており、会長には『小野耕一』を始めとした10人の役員が存在している。

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